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駆け出しオノフク生が聞く「未来×福祉」
駆け出しオノフク生が聞く「未来×福祉」
駆け出しオノフク生
藤井 珠音
尾道福祉専門学校
校長
邑岡 志保
ワークスさつき 管理者
オノフクOB
田口 潤
社会福祉法人 的場会
常務理事
中川 勝喜
福祉の仕事をもっと知りたい。
「やりがい」
と
「これから」
を
ズバリ
聞いてみました!
オノフクOB・校長先生・施設経営者に、福祉の仕事と未来についてインタビュー。
尾道福祉専門学校の藤井珠音さんが迫ります。
頼っていただけることが
仕事を続けていく自信になる。
福祉の仕事の“やりがい”や、“面白さ”や、うれしかったエピソードを教えてください。
私たちの事業所では、障害をお持ちの方の働く場を提供するサービスの「就労継続支援事業(B型)」と、一般企業に就職するまでの職業訓練やサポートである「就労移行支援事業」を行っています。利用者さんが訓練や実習を経て成長され、自信を持って就職に臨む姿を見ると達成感を感じます。
校長となって約1年半ですが、私は長年、高齢者の支援に携わってきました。お世話をするなかで「あなたに会えて元気になった」と言ってもらったり、「邑岡さんの近くの施設に行きたい」と頼っていただけると、続けてきて良かったと思います。
私は高齢者施設を運営しています。生活の手助けをすることで利用者ご本人にも感謝されますが、たとえばもっと後の時期になって、ご家族に街で出会った時に「あの時にはっきりと言ってくれて良かった」と声をかけていただく時に、ずっとつながっていく”縁”や、地域を支える使命を感じますね。
先入観を持たず、利用者に向き合い、
成功や失敗事例を共有する大切さ。
福祉の仕事をされている中で、普段どのようなことを大切にしていますか?
ご利用者さんを”チームで支えていく”ことです。以前は個人それぞれが各自のやり方で寄り添っていましたが、弊害もありました。意見を出し合って相談することで、成功例も失敗例も共有できますし、新人の育成にも役立っています。
利用者さんに対して、あるいはチームのメンバーに対して「頭を真っ白にして接していく」こと、つまり先入観を持たず、相手の今の気持ちをその都度理解するように心がけています。また、田口さんと同じように一人だけで悩むのではなく、チームで共有してお互いにヒントを相談し合える関係を大事にしています。
難しい言葉かもしれませんが、利用者さんに「尊厳を持って」接することです。いろいろな健康状態の方がいて、生きてきた人生もそれぞれ異なっている方々に敬意を払って、その人その人に合った支援を考えていく。押し付ける支援にならないためにも、そのことを常に意識しています。
様々なきっかけが
福祉の仕事へと導いてくれる。
この業界を志望したきっかけや、福祉を仕事にしようと思ったきっかけを教えてください。
もともとは大工をしていました。20代半ばに交通事故に遭い、リハビリに通う中で福祉の仕事に興味を持ち、尾道福祉専門学校へ入学しました。卒業後は、そのまま社会福祉法人尾道さつき会へ就職しました。アルバイトなど現場に触れることで、さつき会の良さを感じていましたから。
人に向き合う仕事をしたいと思って福祉系の大学に進みましたが、実際の介護現場の仕事に就くかどうかを迷っていました。4年生の時、阪神淡路大震災が起こり、ボランティアで被災地に入って、高齢者のお世話をしているうちに「福祉の現場に行こう」と決断して、この世界に入りました。
今の事業所は私の母が始めたものです。だから、常に身近な存在でした。行事を手伝ったり、おじいちゃん・おばあちゃんたちと一緒にご飯を食べたり。しかし、一度は別の業種に就職しまして、十数年を経た後、実家に戻ってきたという感じになります。きっかけとしては自然に傍にあったということになりますね。
現場に出て失敗から反省することで
より身につく学びがある。
駆け出しの頃のエピソードや失敗談はありますか?
専門学校や実習で高齢者に寄り添うことを学びましたが、就職後に障害福祉の現場に入った時に、寄り添いすぎるというか、依存させてしまったりなど、反省点が多くありました。上司から怒られることも多かったです。3年間ぐらいは“がむしゃら”に過ごしていた思い出があります。
私も最初は失敗ばかりで“がむしゃら”でしたね。ご利用者さんのシャツを前後を逆に着せているとか…介護の基本ができていなかったんですね。また、外部の大人の方、役場とか企業の方とお会いする際に、接し方がわからなくて失礼な態度をしてしまったこともありました。上司や相手の方が注意してくれて気づけたことを今でも感謝しています。失敗から学べたことは大きいです。
私は福祉の学校も出ていませんし、小さいころから施設が身近にあったといっても、その後かなり時間も経っていたので、最初はわからないことばかりでした。助かったのは、職場の先輩たちに、心配であるがゆえに根掘り葉掘り質問して、いずれもきちんと教えてもらえたこと。あれがなければ、ずっと失敗ばかりだったかもしれないですね。
より地域に根差した
思いやりの心を持った福祉へ。
福祉の未来はどうなると思いますか。また、将来に向けての展望や、今後の目標を教えてください。
私の担当範囲で言いますと、就労移行支援事業については、障害者雇用が地域にまだ根差すほどの広がりを見せていないと思いますので、もっと活性化させていきたいですね。また、就労継続支援事業(B型)では、現在、広島県の平均工賃を超える金額を利用者さんにお支払いできる成果を出していますが、それを継続して、さらに働く楽しさを実感していただける金額や、事業所の環境整備を目指したいと思います。
介護職って、ちょっと裏方のようなイメージがありますが、もっと表に出て、お医者さんや企業の方と対等に話ができるような介護職が増えて欲しいですし、そういう人を増やすことが私の目標でもあります。また、私個人としては、現在の福祉の制度から抜け落ちている方への支援やサービスをもっと充実させていきたいという夢を持っています。
私の事業所で言いますと、1日あたり、竹原市の人口の1%ぐらいの人数の方に利用いただいています。それってエッセンシャルワークとして社会の一部を支えているわけで、自分たちの仕事にはプライドを持って欲しいし、それに見合うスキルも磨いてもらいたいと思っています。そして、いずれ福祉の世界にもAIが導入されます。作業の効率化にはAIが活躍するでしょうが、その分、人間にしかできない思いやりや“人間性”が大事になってくると思いますから、それを大事にしていきたいですね。
自分らしい仕事を目指せるのが
福祉の仕事の可能性と魅力。
福祉の仕事を目指す方に向けて、メッセージをお願いします。
福祉の仕事って、自分が成長する過程が見える仕事ですし、自分自身の目標設定もしやすい職種だと思っています。また、ここ「尾道ふくしむら」は、私自信も卒業生として実感しましたが、たくさんの福祉施設があって、その現場で実際に実習ができたり、アルバイトも可能なので、たくさん現場での経験を積んで成長を目指してください。
私は学生にいつも「いっぱい考えて、いっぱい失敗してください」と伝えています。自分で一生懸命考えて実行したら、たとえ失敗したとしても、それは身体に残るし、自分自身のことを理解するきっかけになって、次の成長へとつながります。
福祉の世界では、答えは一つではなくて、利用者の方の役に立つことが正解で、色々な可能性がある分、自分自身の個性を活かしやすい業界だと思います。自分らしい福祉を見つけて欲しいですね。
ありがとうございます。
福祉に懸ける「熱い想い」を受け継いで、将来に活かしたいと思います。
先輩たちのとある休日
田口
さん
お笑い番組&晩酌で疲れを癒します!
笑って気分をほぐしたいので、お笑い番組を観たりしながら、お酒を楽しむことが多いですね。笑うことで気分がリフレッシュされます。
邑岡
さん
愛犬”みかん”とハイキングを満喫!
トイプードルの“みかん”を飼い始めて、残業削減の最大の功績者になってくれています。自然が好きなのでハイキングにも一緒に出掛けます。
中川
さん
釣りをしながら屋外調理で舌鼓!
施設の前が海ですので、そこで釣りをしながら簡単な調理をして楽しんでいます。時には船で釣りに出かけることもあります。
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